
借地権を第三者に譲渡するには、地主さんの事前の承諾が必要です。殆どの借地契約書にはこのことが記載されていますが、借地契約書がない場合でも承諾が必要です。
地主さんの承諾を得ないで譲渡すると借地契約を解除されるので、注意が必要です。
借地権の相続は、借地権の譲渡には該当しません。地主さんに承諾をもらう必要はありません。
借地権の譲渡について承諾をもらう場合、借地上の建物の建替え、借地条件の変更の場合と同様、譲渡承諾料の支払が必要になるのが一般です。「名義書換料」と言われることもあります。
自分の土地を誰に貸すかは地主さんが自由に決定できる事柄です。地主さんに決定権がある事項について、借地人の都合で変更してもらうわけですから、承諾には相応の対価が必要になります。
承諾料の額は、借地権価格(第三者への譲渡価格)の10%相当額とされるのが一般的です。
ただし、地主さんによってはこれより低い額で承諾してもらえるケースもありますし、逆にもっと高額の承諾料を提示される場合もあります。
裁判所の譲渡許可の裁判で審理される場合、譲渡承諾料は借地権価格の10%相当額を原則とし、そのケース特有の事情を踏まえて増減(概ね5%から15%)して決定する扱いです(東京地裁民事22部の運用)。
借地権を不動産事業者に譲渡する場合、ほぼ例外なく、借地契約の期間を20年に伸長、建物の建替え、抵当権の設定について地主さんの承諾を得ることを求められます。建物の建替えについては増改築承諾料が必要ですし、地主さんによっては、借地契約期間の変更や抵当権設定についての承諾料を別途求められる場合があります。
こうした「エクストラ承諾料」についても、買主である不動産事業者との売買契約の中で売主負担(売買代金から控除)とされるのが一般です。
借地権を相場(土地実勢価格×借地権割合)で売却する場合でも、様々な承諾料が控除され手取額は思いのほか伸びないことが多い。
借地権を譲渡する場合、建物が老朽化していることが多い等の事情で、多くの金融機関は融資に消極的です。特に住宅ローンの利用が難しいため、買主は殆どの場合不動産事業者になります。
不動産事業者は自分で借地を利用する訳ではなく、転売や分譲によって利益を得るために購入する訳ですから、再販売や抵当権の設定、借地契約期間の伸長、境界の確定等様々なことについて地主さんの承諾が得られるかを重視します。
地主さんの承諾を得る見通しが立たない場合、手を挙げる事業者はほぼいません。いたとしても売却価格は大幅に安くなります。借地権を適正な価格で売却するには、可能な範囲で更新料の支払い(リンク)に応じるなど、地主さんと良好な関係を維持しておくことが何よりも重要です。
地主さんとのトラブルは、借地権の譲渡には致命的な痛手となる。
地主さんから譲渡の承諾を得られない場合、裁判所に借地非訟(しゃくちひしょう)手続を申し立てて、地主さんに代わって譲渡を許可してもらうことが考えられます。
ただし、許可が得られるまで相応の時間が必要ですし、何より、許可が得られるまで付き合ってくれる理解ある買受予定者の協力が不可欠です。借地非訟での解決に向いているケースと向かないケースがありますので、利用するには慎重な検討が必要です。
平成21年2月、ここ自由が丘に事務所を開設して以来、相続・遺産分割、借地権や底地の問題、様々な契約交渉の代行やアドバイス業務に取り組んでまいりました。
トラブルの解決は簡単ではなく、依頼者の方にご満足いただける結果を出せないこともありますが、どんな案件でも、時間をかけ、頭が曲がるくらい必死に考える、これだけは忘れないようにしています。
相続や遺産分割、借地権や底地の問題、契約の問題などでお悩みの方がおられましたら、当事務所の法律相談のご利用をご検討ください。
弁護士 大江 真人
昭和45年生まれ
平成5年3月 青山学院大学法学部卒業
複数の民間企業を経て、平成20年9月、司法研修所修了(旧61期)、弁護士登録
東京弁護士会(登録番号:37691)
夫の遺産について、夫の兄弟との遺産分割協議をお願いしました。夫の兄弟から理不尽な要求をされ、大変悔しい思いをしましたが、先生には最終的には納得できる内容でまとめて頂き、感謝しております。
借地権の処分でお世話になりました。予め説明を受けていたとおり、私の希望通りの解決とはなりませんでしたが、依頼してよかったです。良い情報も悪い情報もマメに知らせてくれるので、納得して受け入れることができました。
契約書類の作成やレビューを継続的にお願いしています。取引先から渡されるドラフトのどこに問題があるかだけでなく、取引先との関係を壊さないようにクリアするにはどうすればよいかを一緒に考えてくれるので、助かっています。
相続・遺産分割、借地権と底地の問題、契約法務サポートについて豊富な実績があります。その一部を紹介させて頂きます。お悩みの案件と似た事例がないか探してみてください。
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プライバシー保持の観点から、全て予約制とさせて頂いております。事務所にお越し頂いてのご相談となります。 お電話やメールによるご相談は承っておりません。予めご了承下さい。
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