
私は亡くなった母と同居して身の回りの世話もしてきました。当然、他のきょうだいよりも相続分は多くなりますよね。
遺産分割案件の相談を受けていると、よく耳にするご質問です。
法律的に構成すると「寄与分」の主張ということになると思いますが、これは、それほど簡単な話ではありません。
寄与分というのは、簡単に言うと、故人の遺産の増加や減少の防止に貢献があった相続人の取り分を、他の相続人よりも多くするという制度です。
具体的には、
■故人が営んでいた事業を手伝っていた
■故人の療養看護をしてきた
■故人所有の賃貸住宅の管理を行ってきた
等の場合に主張されることが多いようです。
家庭裁判所の実務上、寄与分の認定は厳しく、簡単には認められません。
「寄与分」は、親族関係に基づく介護や援助の範囲を超えた貢献によって、故人の財産を増やしたり、減らすのを防止したと認められる(特別の寄与)場合に、その貢献に応じて相続分を増やす制度です。
家業を手伝っていても相応の給与や生活費をもらっていれば財産を増加させたことにはなりません。療養看護につとめたといっても、看護のプロが行うレベルのことを無償で継続的に行ったようなケースでなければ、看護費用の出費を免れさせたと評価できません。
寄与分認定の土俵に上がること自体、なかなか難しいのが実情です。
これから始まる遺産分割協議で、貴方が寄与分を主張したい、あるいは相手方から寄与分の主張が出ることが予想されるという場合には、 上記のような家庭裁判所での実務の現状を踏まえた対応が必要と思われます。
貴方が寄与分を主張したい場合、果たして本当に寄与分の要件を満たしているのかを専門家に相談して協議する必要があるでしょう。満たしているか微妙というときは、他の相続人よりも若干多めに遺産の分配を受けることで妥協し、解決を家庭裁判所に持ち込ませない戦略が必要になります。
反対に、貴方の相手方が寄与分を主張している、主張することが予測されるという場合には、早期の遺産分割協議成立にこだわらず、家庭裁判所に持ち込んだ方が得策になる可能性が高いと思われます。
平成21年2月、ここ自由が丘に事務所を開設して以来、相続・遺産分割、借地権や底地の問題、様々な契約交渉の代行やアドバイス業務に取り組んでまいりました。
トラブルの解決は簡単ではなく、依頼者の方にご満足いただける結果を出せないこともありますが、どんな案件でも、時間をかけ、頭が曲がるくらい必死に考える、これだけは忘れないようにしています。
相続や遺産分割、借地権や底地の問題、契約の問題などでお悩みの方がおられましたら、当事務所の法律相談のご利用をご検討ください。
弁護士 大江 真人
昭和45年生まれ
平成5年3月 青山学院大学法学部卒業
複数の民間企業を経て、平成20年9月、司法研修所修了(旧61期)、弁護士登録
東京弁護士会(登録番号:37691)
夫の遺産について、夫の兄弟との遺産分割協議をお願いしました。夫の兄弟から理不尽な要求をされ、大変悔しい思いをしましたが、先生には最終的には納得できる内容でまとめて頂き、感謝しております。
借地権の処分でお世話になりました。予め説明を受けていたとおり、私の希望通りの解決とはなりませんでしたが、依頼してよかったです。良い情報も悪い情報もマメに知らせてくれるので、納得して受け入れることができました。
契約書類の作成やレビューを継続的にお願いしています。取引先から渡されるドラフトのどこに問題があるかだけでなく、取引先との関係を壊さないようにクリアするにはどうすればよいかを一緒に考えてくれるので、助かっています。
相続・遺産分割、借地権と底地の問題、契約法務サポートについて豊富な実績があります。その一部を紹介させて頂きます。お悩みの案件と似た事例がないか探してみてください。
随時受付中です。
プライバシー保持の観点から、全て予約制とさせて頂いております。事務所にお越し頂いてのご相談となります。 お電話やメールによるご相談は承っておりません。予めご了承下さい。
相談料は、30分まで5,000円、30分を超える場合は7,000円(消費税別途)です。
訴訟、調停、示談折衝などを受任する場合の料金(弁護士報酬)は、予め見積書を作成して提示させて頂いております。
案件の難易度、解決までに要する執務量や時間等は、注文住宅の設計施工と同様、個々の案件ごとに異なるためです。もちろん、見積りは無料です。
弁護士費用が気になる方は、ぜひ見積りをご要望ください
事務所名称 | 自由の森法律事務所 |
所在地 |
〒152-0035 |
電話 | 03-6459-5121 |
FAX | 03-6459-5122 |
職員 | 弁護士1名 事務局2名 |